ロマンティックをあげるよ
安堵しました。本当に安堵しました。新日本プロレスという『物語』はしっかりと新章へ進行していくようです。SANADAがエース棚橋を倒し、決勝へと進みます。
なぜこの試合結果がそんなに私にとって安堵をもたらしたか、それは今回のNJC2019で不安な展開があったからです。
その不安な展開はそう、決勝のカードがオカダVS棚橋となってしまうこと。
今回のNJCにおいて、レインメーカーとエースの試合内容に関しては手放しで素晴らしかったですし、なんだかんだ二人が活躍する姿を見ると応援したくなる気持ちにさせられるのも事実です。私も同じく。
レインメーカーが炸裂した瞬間、ハイフライフローが決まった瞬間、どちらもその瞬間は私も興奮せざる負えません。
ですが、それでも今回のトーナメントに関しては二人が決勝に進んでしまうのはストーリーの観点からすれば大きく矛盾を引き起こしてしまうからです。
以前にも少しばかり書いた事なのですが、もう一度簡単に書きます。
今回のNJC優勝者が挑戦する相手はジェイホワイトなのです。そのジェイホワイトにオカダも棚橋も少なからず完璧に近い形で敗れている両者です、しかもわりと大きなタイミングで。
タッグマッチで3カウントを奪われただけならまだしも、シングルマッチでなおかつストーリーの中の要所になる場面で２人はスイッチブレイドに切り裂かれています。
その２人が、NJCで当たり前のようにエントリーされていたことにすら私は少し疑問視していました。
ですが新日本の看板である２人が居ないトーナメントも確かに寂しいとは思いますが、ここは思い切ってできる限りまだチャンスを掴み切れていない選手のエントリーを促し、さらにはこのNJCをトップ戦線へ押し上げる踏み台にそれらの選手がすればその後のストーリーは新鮮味を手に入れる事ができるはずです。
そして言い換えれば、廻り回って既存のトップ所つまりはオカダやエース棚橋との絡み方にも複数の選択肢が増えてきますから、新日本プロレスは物語を動かしやすくなるかもしれません。
しかしエントリーされた以上はオカダも棚橋も流石と言わんばかりでした、そこは私も素直に楽しませてもらってます。
それでも言葉にして書かなくてはならないこの事を許してもらえたらと思います。今回、もしもオカダと棚橋が決勝に進出したら物語は停滞するだけだ、と。
この２人じゃないと思うわけです。
ジェイホワイトの次の相手は、今までまだジェイホワイトと戦いを交えていない相手でなければいけないはずです。
そうでなければジェイホワイト側の物語も新しいページをめくれない。いつまでも同じ登場人物が活躍する章ばかりではストーリーが薄いものになってしまいます。
前章で活躍したキャラクターをまた登場させちゃいけないのか？！
いいえ、違います。そうは言ってません。
また機が熟してから再登場すればいい、その時までは時間を置く必要がどんな登場人物だってあるはずだとは思いませんか？
それがレインメーカーであろうとエースであろうと。
SANADAが棚橋を破り胸を撫で下ろした次第です。欲を言えば、決勝の相手が石井選手であればさらに物語への進み具合にワクワク度が高まったのですが、、少し残念です。
しかしSANADAは以前王者時代のオカダに負けています、期待を背負いながらもチャンスを掴めなかった。
それを踏まえての流れを思うならば、そのリベンジたる壁も乗り越えての次なる回へ。
棚橋を破り、続けてオカダも破るSANADA、観てみたいです。
そうなればこれはある意味ジェイホワイトと並ぶ形にもなる、レインメーカーとエースの両方を倒した同士がマディソン・スクウェア・ガーデンのメインに立つわけです。
物語の山場が来ましたね、どうなるのでしょうか？
読み手である私達はどちらの新章も捨てがたい、でも選ばなければならない。
それにしてもColdScullは一体どこへ向かおうというのか？ただ勝つだけじゃなく試合後にロマンティックを提供するレスラーになろうとしている、、という解釈であっているといいのですが。
相手を負かして終わりじゃない、優勝するだけじゃない、そしてベルトを取るだけじゃなくロマンティックを提供する男、それがSANADA。
次回予告、
"氷の仮面を取った骸骨は、なんと極上のエンターティナーだった！"
こうなることを乞うご期待です。ぜひ優勝を。
リングの廻りで灯る無数の光。
プロレスとは、ロマンティックそのものだったのですね。
私はまだまだイメージが足りなかったようです、ロマンティック(SANADA)のイメージが。
