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こんばんは、執筆者のザ・クスノキです。
11.3エディオンアリーナ大阪の興奮冷めやらぬ間にこの記事を書いております。前記事でもお伝えした通り、私も久々の生観戦に行って参りました。
三連休という状況もあって人の往来は街を埋め尽くし、エディオンアリーナまでの通り沿いには既に新日本プロレス関連のTシャツを着用した人がこの目に入り、その瞬間から「遂に来たか」という感情の高ぶりを勢いづけてくれました。
さて、今回の私の記事では何を取り上げるか。どの話題にスポットを当てるか。
非常に悩み所な今回の大阪大会。
私が生観戦をしたからこそを生かしての記事にしたいと考えるとすれば、、
うーむ、やはりここは・・・・高橋ヒロムのビックカムバック
・・・いえ違います。
では、東京ドーム恒例になりつつあるクリス・ジェリコのメッセージビデオ、
・・・いえ違います。
それでは、なんといっても私の感情移入度合いの強い柴田勝頼のシーン、でしょうか
・・・苦渋の判断ですが、これも違います。
はたまた、ジュニアタッグリーグ優勝トロフィーを強奪したファンタズモ&石森2人のイエーイ、はどうでしょう
・・・少し惜しいですが、違います。
ならば、メイン後に起きたマイク合戦による投票の呼びかけ、、
・・・残念ながらも違います。
話題沸騰さながらの話題に飛びつかず、それよりも先にどうしてもスポットを当てたい場面があるのです。
そう、場面です。
試合内容に関してはどのマッチにおいても不満など一切の無い試合内容ばかりでしたし、第4試合のYOSHIHASHI選手についてはトップ所の選手に交じりながらも自分の感情を如何無くインパクトとして残すなど、どれも無駄な試合など一試合も無かった印象です。
そんな中、試合の中身やサプライズなどではなく今回の記事であえて取り上げたいのはとあるひと場面。
私が現地で観戦していて最も印象に残ったワンシーンがあります。
それは、タイチVS内藤哲也のシングルマッチの試合開始直前のワンシーン。
タイチ選手が先に入場し、その後につづいて内藤選手の入場。
試合が始まった後からの場面では無くまさに内藤選手がリングに上る直前のシーンです。
リング上で仁王立ちから見下ろす様に視線を内藤選手から外さないタイチ。
そして入場花道を歩き終え、リング下から見上げるかの様に視線をタイチ選手から外さない内藤哲也。
二人の視線が交錯するそのわずかな時間の中で、二人は同時に入場用のコスチュームを脱いで試合用のコスチュームだけになっていく。
まさにこのワンシーンが私にとっての今回の生観戦のベストワンカットシーンでした。
たぶん、私がいつもの様に配信動画での観戦視聴であればこのシーンがベストシーンとして切り取る事はできなかったかもしれません。帰宅してから改めてこのシーンを配信動画で観てみたのですが、やはり全く印象が違いました。
配信カメラでは内藤選手とタイチ選手をそれぞれに切り替えて映している印象が強く、二人がコスチュームを同時に着替えていく瞬間は内藤選手だけにカメラの絵面が集中してしまっている印象でした。
このシーンの最大の魅力は二人がリング内外の直線状で立った配置のまま、二人が同時に入場用から試合様にコスチュームを着替えていく様子だったと思います。
ですので、配信カメラもできれば俯瞰の位置から二人を遠目に映してこそ、その世界観の色は強まったはず。
私は二階席から観戦していたのですが、このシーンがやけに席の角度的にも距離感的にも見栄えの良い映りにさせてくれた様でして、二人が同時にガウンを脱ぎ捨てていく構図がどちらか一方に目が行く形では無く、まさに内藤選手とタイチ選手が同時に脱ぎ捨てていくシーンをワイドに見れたのが一番の要因だったのでしょう。
タイトルマッチではなく、当然メインでもセミファイナルでも無いただの第5試合目だった二人のシングルマッチ。
更にこの二人のカード組み合わせは正直な所を言えば鮮度も以前よりは落ちており、目新しさの期待値はやや弱くなっていた最中だった事と思われます。私もそうです。この組まれた第5試合に対してのテンションの持っていき方は残念ながら難しかった。
しかし、この試合直前でのワンシーンが一気に印象づけてくれたのです。
これは“決戦”なんだと。
そう、これは決戦であるという物語の大事なインパクトがこのワンシーンによって産まれたように思います。
もっと上手に言葉を加えてみます。
ここで私が使う決戦という言葉は勝敗に白黒をつける意味を込めた“決戦”ではありません。
一体何に対してなのか。それはこのブログのタイトルに至って忠実に準じてみるならば、もうあの言葉しか考えられないでしょう。私のこのブログを幾ばくか楽しんで頂けている方は既に心の中で唱えてしまったはず。
『物語』!!!!!、と。
はい、物語です。
私のブログのタイトルは【新日本プロレスを物語る!】という畏れ多くも大胆不敵な題名を冠してしまっており、この物語という観点からは逃れられない運命を背負った記事に勤しんでいるわけです。
次の物語へ繋げる為の決戦。
内藤哲也の物語を紡ぐ為、タイチの物語を紡ぐ為。あるいは“二人”の物語を更に伸ばす為の決戦。
物語の先の先を考察したり予想したりする必要などはありません、そういう楽しみ方を否定するつもりでそう言いたいのでは無く、そうしなくても楽しめるという私の持論です。二人のワンシーンに“決戦”という二文字を感覚として胸の内に抱いただけで、それそのものが“物語”を感じている証拠です。
私が言いたい意図は、あくまでもその瞬間の『物語』性を少しでも体感できたなら充分といった意味合いとして捉えて下さい。感覚としての物語感、こんな言い方で伝わっているでしょうか。
どちらが負ければ先の展開がどうなるか、もしくはどちらが勝てばどうなるか。あるいはどちらがどちらの踏み台になったという表現を用いるファンもいるかもしれません。
しかし私の観点からはそれでは“物語”を感じているとは言い難い。楽しみ方は人それぞれと言ってしまうと話は終わってしまいますし、記事の公開する必要性が皆無になってしまいますのでそこはあえてぐっと抑えて下さい。
私はこの二人の試合直前のワンシーンにひと際目立つ世界観の構築を生で観測させてもらった気持ちで一杯です。
プロレスの面白さは選り取り見取りです。
派手な技やデンジャラスな技で観客を沸かすのも魅力の一つ、言葉の力を使ったマイクパフォーマンスも醍醐味の一つ、試合中の乱入劇&裏切り劇やユニット抗争などの分かりやすいドラマチックもその一つでしょう。
しかし、それらだけではありません。それらでしか感情の表現を用いる事はできない、とは限りません。
たったワンシーンです。
ベルトのかかっていないただのワンマッチ、メインやセミファイナルでも無いただのシングルマッチ、技の攻防さえもまだ無い試合開始前のワンシーン。
二人の選手がただ同時にコスチュームを脱ぎ捨てたというたったそれだけの短い時間のワンカット。
たったこれだけのシーンに私は現地の二階席で内心「なんて絵になるシーンなんだろう」と感嘆していました。もちろん、ただこのシーンだけをやれば同じだけの効力があるかと言えばそれは違うでしょうね。
二人の普段からの振る舞いがこのワンシーンへの世界観を引き寄せたと私は感じています。
普段は入場曲に時間をかける二人、ロープを跨いでからもマイク片手に歌うタイチ選手。内藤選手に至ってはリングに上ってからの時間の使い方は全選手の中でも群を抜いて長い、長すぎる。
そして何よりも二人の普段からのコメントによるアピール力。くどい、くどすぎる位にこの二人の選手は言葉の力をねちっこく多用します。
その二人の選手が、舌戦の無い視線を交わすだけの時間に世界観の全てを委ねた。委ねたんです。
そして内藤選手はそのくどい位の時間の使い方を今回は捨て、入場タイムを自分で遮るかの如く早々にガウンを脱いでいく。その様子に呼応する様にタイチ選手も同時にガウンを脱いでいく。
物語はこの時を以てして“決戦”の予感を最大限に引き出されるように。
物語の章ごとに各章のタイトルをつけるなら、この“決戦”という言葉は相応に思えます。あの短いワンシーンは私にとって物語の一つの章に当るのです。
プロレスは詳しい人ほど楽しめているとは全くもって言い切れないモノだと思います。ここは私の戯言と聞き流して下さる方が私も肩の力を抜いて書けるのでぜひ聞き流して下さい。
詳しいから凄い、それはお門違いかもしれませんよ。
プロレスを楽しむには、ほんの少しの情緒と感情があればそれでいいのだと思います。私を見て下さい、たったのワンシーンに「このシーン良い!」とただ言っているだけなのですから。ただ言っているだけです。
何の考察も無し、ましてや根拠など一切提示できない自分本位な感覚で物言う程度でしか。
ですがあえて言います、詳しい知識も考察も一切必要はありません。
何時間にも渡った今大会の中の数分にも満たないこの場面に“決戦”という章の題をつける楽しみ方。たったあれだけの出来事なのに感情の振れ幅を私は誘発されてしまいました。
これだからプロレスの生観戦にはチケット代以上の値打ちが充分過ぎる程あると言って過言ではないでしょう。
前記事では観戦“前夜”を書き記し、今回の記事では観戦“直後”の私の感情を書き記してみました。
私の様になかなか都会へ足を運ぶ機会が少ないファンの方々も、ぜひとも思い切って生観戦を。地方大会では楽しめないと言っているわけではありません、ビックマッチの生観戦でしか味わえない楽しみがたくさん見つかるかもしれない、そんな感慨をせひ伝えたいといった気持ちです。
追伸、
高橋ヒロムの復帰の瞬間に生で立ち会えたのは最高の思い出になりました・・・。まるで少年の様に私も興奮の歓声を挙げてしまいました。トイレに行きたい気持ちを歯を食いしばってお尻をこわばらせ踏み止まった事、本当によかったです。。。。
◆最後まで読んで下さり嬉しいです。
次回記事更新にて、また覗きに来て下さいね。
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