~言葉、棚橋弘至①~
こんばんは、筆者のザ・クスノキです
本日の記事内容は棚橋弘至選手についてです。
取り上げる焦点はwebマガジン「ダ・ヴィンチ」2019/8.8掲載のメールインタビュー完全版における棚橋選手のインタビュー内容になります。
読んでみるとなかなか面白く、棚橋弘至というプロレスラーが形づくられる上で深層心理に幾ばくかか迫るような内容に当るのではないかと思った次第です。
今回はまずは前編からの引用を伴いながら私の記事を進めていく流れです。
記事を進めていく前にまずは一つ、私の中での棚橋選手への印象をざっと簡単に記してみるとなると、“プロレスを言葉でもやる選手”です。これに関しては別に棚橋選手だけでなくプロレス界を見渡せばいくらでも同じく言葉の扱いにも得意な選手は居ますから、棚橋選手もその1人という事ではあります。が、しかし、その中でも特に言葉のテリトリーを丁寧に扱う選手というイメージを私は持っているのです。
言葉の領域、とは?
簡単に言えばその人自身に培われた言葉。発端や起因は外界からの影響からくるものであっても、それをいかに独自の個性として消化でき更に使用しているか。
また、はったりや見せかけの使い方になったとしても、自分の感情を乗っけてカバーするやり方もこれに当たります。それに関しても己の言葉の領域として充分良いのだと私は思います。
プロレスにおける言葉とな何なのか、私は以前の記事でも言及してきました。
選手の相対関係を煽ったり、自身の自己表現の手段でもあり、キャラクターが物語の中でそれぞれの役目を担いながらもどこまで自己主張を残せるか、どこまで観る側に印象を与えられるか。プロレスを継続的に関心を持たせる為、関心を途絶えさせない為にも棚橋選手は言葉というツールにかなり重点を置いている節があるのは周知の事実でしょう。
単発的な言葉ではなく聞いた側がそれぞれに余韻を感じられる言葉を残す努力が棚橋選手のバックステージやメディア媒体でのコメントには見て取れる、そういう選手です。
プロレスを単一の点で扱わず、かならず点から点、それをつなぐ線に幅を持たせようとする棚橋弘至には注目せざるを得ない引力がとても強い。
そして何より私が素晴らしい、そして面白いと思うのは、棚橋選手がプロレスの全体像からの視点で語る時もあれば、棚橋選手自身の手綱を自分の都合の良い様に引き寄せておく計算の案配で言葉を繰り出す時もある所。
太陽の天才児、100年に1人の逸材、新日本プロレスの絶対的エース、クリーンな語呂合わせが並ぶ彼のキャッチコピーですが、棚橋弘至の人間性、いやプロレスラー性という言葉に置き換えましょうか。棚橋弘至のプロレスラー性には陽と陰が多重に折り重なっているとも言えるでしょうね。彼は良い意味でエゴイストにもなれるのであり、表現者としては必須の在り方です。
土台は自信の持つスター性にしっかりと支えられているからこそ説得力も尋常じゃない、凡人からすればいささか反則級。こうなってしまうとぐうの音も出ません。
これ以上はひとます割愛します。
ここからはインタビューからの引用を行う作業も入りますが、私なりの解釈と、私なりの言葉の取り扱い方も多分に散見されるでしょうからある程度の先走りや間違いもあるかもしれませんがどうかご容赦下さい。
では本題に入っていきましょう。
インタビューの冒頭からいきなり棚橋選手の丁寧な言葉の取り扱いが始まり、本来は全文引用したい所ですがそれはさすがにできませんので、簡単に私の言葉で。
プロレスラーはリング上の戦いでブーイングや声援を引き起こし、レスラー自身のキャラクターがぼんやりとそこで表現されるという風な説明をしてくれています。
そして棚橋選手が次にこんなコメントを。
プロレスラーがどんな人物なのか?
ぼんやりと浮かび上がった輪郭の中を埋めていくのが、試合後のインタビューや雑誌の記事などになります。
そこで、大切になってくるのが「言葉」です。
(ダ・ヴィンチニュース プロレス×言葉(前編)インタビューロングバージョン2019/8/8より)
ぼんやりと浮かび上がった輪郭、プロレスラーという存在を説明する時にこういう文脈を用意してくる棚橋弘至という男はやっぱり面白いですね。彼の言いたい意味は、要はリング上の肉体の戦いだけではプロレスラーは完結しないといった捉え方をすればいいのでしょう。
リング上とリング外の逆転現象が起きてしまうこともしばしばあるのがプロレスです。
試合の決着では負けを付けられたにも関わらず、言葉の力を使ったことによりなぜか敗者の方に次なる期待感を寄せてしまうというファンの反応があったりも。これを本末転倒ととるか、逆に面白いと捉えるか。
もちろんどっちも間違っていません。
なぜならどちらもプロレスの懐なのです。楽しみ方の制限はそこまでありません、それでも制限として考えるとするならばマナーの問題や粋か無粋か、などといった事くらいでしょうか。
つづけて、自身のマイクパフォーマンスへの話題に及んだ際のコメントから一部引用します。
該当箇所を抜粋させて頂きます。
プロレスの歴史の中で、みんながパッと思い出せるような印象的なマイクアピールをプロレスラーが残すためには、筋肉だけでなく、言葉の瞬発力が必要です。
(ダ・ヴィンチニュース プロレス×言葉(前編)インタビューロングバージョン2019/8/8 より引用)
注目すべくはもちろん「言葉の瞬発力」というワード。
先程でも記述した通り、プロレスにおける話題のタイムリーは試合内容や試合結果のみならず選手のコメント発信にもしっかりと矛先がいくのです。
ちょっと極端な話になってはいけないと思いつつも書きますが、ファン心理に司る記憶の観点からすると、試合の速報結果よりも選手の言葉の方が色褪せずにの残ってしまうのがプロレスの恐ろしい世界観。逆に言えば、言葉のメモリーをファン心理に残せないプロレスラーは突き抜けた存在にはなれないのかもしれません。 (※一概には言えません、もちろん。)
さて、今回はここで筆を一旦置きます。
つづきは次回の記事更新にて。
インタビュー内容があまりにも面白いのと私も書いて居てとっても楽しいので、一度で消費するには勿体ないという思惑も正直に吐露します。
ですが私のブログスタンスは変わりません、丁寧に書いていくつもりです。
次回は今回の内容のつづきになりますので、ぜひともまた覗きに来て下さいね
◆ここまで読んで下さり本当にありがとうございました。
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G1、終わっちゃいましたね・・・・・・
次のG1はまた来年・・・・来年の夏を待つしかない。。。