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新日本プロレスという最高の『物語』、それは必然と偶然が織り成す感情のドキュメント!主役は、レスラー全員です。

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プロレスの中にある価値観と表現 ~言葉、棚橋弘至②~ 

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 ~言葉、棚橋弘至②~ 

 

 

こんにちは、筆者のザ・クスノキです。

 

前回の記事から棚橋選手のWEBマガジン「ダ・ヴィンチ」2019/8/8メールインタビュー完全版の前編に触れた内容を書いております。

 

前回記事はこちら【言葉、棚橋弘至①】

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今回は「~言葉、棚橋弘至②~」として前記事のつづきをお送りします。

 

言葉、人類の世界史において言語はばらばらの始まりでした。人種や産まれた土地が異なれば扱う言語も異なってしまう。それは産まれた時に与えられるモノであり、自発的に人間に搭載されていたシステムではありません。

 

しかし、この現代においていよいよ世界共通言語に近しいモノがあります、英語です。

 

ただこれもまた、世界の均整を確立するがために自然発生した運びによるものではなく、人為的に推し進められた文化の強制と言っても過言ではないはず。

過去の世界大戦で勝者となり、その後も世界の警察的権威にならんとする大国アメリカの都合で世界の言語バランスは作り変えられてしまった。

 

世界共通言語になり得るシロモノが一応あれば勿論メリットも多分にあります。

経済的メリット。他国間との交渉から交流に至るまで、そして人種間の企業や個人レベルに至るまで。

 

ただこれはもしかしたら道具にしか過ぎない見方もできます。本当のコミュニケーションを実存にするならば、代替の言語を人の関係の中に割って入れる必要は無く、単純に相手の言語を理解した人間がそこに居ればいいだけの話。

 

要は通訳者の媒介です。

英語に頼らなくてもその都度相手の異なる言語を学んだ者が居ればいい、もしくは本人がそうであればいい。

お互いの文化を尊重し、お互いの言語を交わす世界観を損なわない事そのものが争いを最小限に抑える見据え方なのではないでしょうか。

 

世界の一国だけの言語、文化、表現をあたかも世界の共通認識として人類史を推し進めようとするのは価値観の破壊活動に等しくなるやもしれません。その一国がたとえ余りに巨大な一国であったとしても。

 

言葉が価値観を作り、価値観もまた言葉を欲しがる。

どちらが先かは千差万別であり基づく事例は様々です。

 

 さて、本題に入っていきましょう。

 

インタビュアーから棚橋弘至選手へ「棚橋弘至というプロレスラーを言葉で表すとどうなるか?」という質問から、棚橋選手は既存の価値を壊そうとした者である事をメールインタビュー内で答えていました。

 

どういう事か私なりにここでは説明を付け加えます。

 

彼の立ち位置は本隊のベビーフェイスといういうばりばりの本筋たるポジションにその身を置いています。プロレスにおける善い者と悪い者の対立構造の中、分かりやすい例としてアンパンマン、仮面ライダー、ウルトラマン、戦隊物やヒーロー物でいう圧倒的な主人公キャラというわけです棚橋選手は。

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棚橋選手の肉体、そして顔をもってすれば団体側も『主人公』にしたがる気持ちは当然です。

 

主人公感がある人間が活躍する所を観たい心理こそ、人間の大多数の欲求をカバーできるからです。悪者の大暴れも観たい心理は誰にだってあるはずですが、ほんとんどの人は善き者が最後は締めてほしいと願うもの。

 

でも棚橋選手は当時既存の価値観への体当たりを行うのです。

 

 

 

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僕は立場的に「いいもの」でありながらブーイングをもらっていたのです。

これでは、両者の存在意味が逆転するというか、どちらも光らない試合になってしまいます。

 それならばと、僕はチャラ男に変化しました。ブーイングを受けに行ったのです。

 

(ダ・ヴィンチニュース プロレス×言葉(前編)インタビューロングバージョン2019/8/8 より引用)

 

 

 

全てが既存の価値観で想定される事ばかりではありません。本隊のベビーフェイスが手放しで観客に受け入れられかと思いきや・・・。

 

当時新日本プロレスがいわゆる暗黒時代と評される時期において、新日本プロレスへのファンの想いは鬱憤が溜まり続ける背景も相まってしまい、圧倒的主人公感であるはずの棚橋選手へ矛先が向いてしまった面もあります。

 

棚橋選手の若さ、棚橋選手の試合スタイル、団体からのプッシュ。ファンの色んな拒否反応が起こり、なかなか主人公感のあるはずの棚橋選手へ素直な応援が生まれにくかった。

 

そして棚橋選手はそんなファンの反応を逆手にとってチャラ男キャラを前面に出します。

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棚橋選手はヒール転向というやり方を実行したわけではなく、あくまでの本隊の主人公感は捨てずにブーイングを貰うパフォーマンスを大々的にやってみせた。棚橋選手自身は試合の盛り上がりを最優先に考えた時にこうなったという気持ちなのでしょう。

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面白いのは、当時の棚橋選手に苦言を呈した選手も居たとの事。

 

 

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武藤さんがブーイングを受けている僕に言った言葉がとても印象的でした。

 

おい、棚橋、プロレスを壊すなよ

 

(ダ・ヴィンチニュース プロレス×言葉(前編)インタビューロングバージョン2019/8/8 より引用)

 

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武藤敬司選手が述べたこの苦言は、一見古い考え方だと思う人も居るやもしれません。既存の価値観に縛られた苦言だと。ただこれに関しては私の個人的な考えとして少し付け加えようと思います。

 

棚橋選手が善き者のスタンスでありながらブーイングを自分から望むパフォーマンスについて、武藤選手の苦言は相手を光らせるブーイングじゃないという意味合いとしての苦言に近いのではないでしょうか。

 

ベビーフェイスを捨てずにブーイングを貰おうとする振る舞いは言わば自分だけが目立つ手法になってしまう危険性も。それでは棚橋選手と交わった相手からすれば旨味を全て待っていかれるようなものだと。

 

試合の中で両者の存在感が存分に発揮されてこそが理想のプロレス。だからプロレスには相手の技を受けるという美学もあったりするのです。

 両者の存在感の成立、もちろんこれは理想です。

 

相手の存在感を圧倒的に消してしまいたいという感情も選手間にうごめくのもプロレスの醍醐味ですから、理想は掲げておきながらもその名の下では様々な削り合い凌ぎ合いがあってこそ面白い。

 

棚橋選手が本当に盛り上がりの事だけを考えての振る舞いだったのか、本当はお客の反応(声援もブーイングも)を独占したいがためだったのか、皆さんはどちらだと思いますか?

あるいは両側面にあるという考えも。

 

まだまだ棚橋選手のコメントを拾っていきますよ。

つづいてはこちら、

 

 

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闘いから音楽が聴こえてくるのが僕の理想なんです。

 

(ダ・ヴィンチニュース プロレス×言葉(前編)インタビューロングバージョン2019/8/8 より引用)

 

 

前後の分も抜粋したい所なのですが、引用分が長すぎるとただの紹介記事になってしまいますので、こちらも私の言葉で端的に説明をします。

 

これは、主人公が敵と戦っているシーンでテーマソングや挿入歌がBGMとして流れてくる場面を指しているようです。確かに、棚橋選手が試合終盤で自身の必殺技「ハイフライフロー」で畳み掛けていく流れと同時に、棚橋選手のテーマ曲「LOVE&ENERGY」がなぜか脳裏に流れてくるような感覚を私も錯覚する時がありました。

 

戦いから音楽が聞こえてくる、なんとも情緒的な言葉のチョイスです。

 

棚橋選手は言葉を巧みに使い私達にこうやって投げかけてきますが、もはやそれは上手いを超えてズルい。

棚橋選手に注目を向けざるを得ない、興味を待たざるを得ない、初めてプロレスファンになったばかりの人がこういった言葉を目にした時にそうなってしまいやすい打算が確実にあると思うのです。

 

言葉が価値観を作る、棚橋選手は明らかにこの作り手です。プロレスという世界観の中で、自身の存在証明をリング上だけで完結さぜずに、言葉でもってして繋げていく。

言葉の意味や響き、投げかけた時の反応、本音と思惑を両立させながら棚橋選手は言葉を用いて最大限に自分とプロレスを光らせようとしているのではないでしょうか。たとえそれが、相手選手の光を消失させようとも。

 

 

話は少し戻りますが、プロレスの善き者と悪い者の構図についてですが、これに対して既存の価値観への打破として振る舞いを行う選手が他にも居ましたね。

 

まずは内藤哲也選手、彼は自身のユニット「ロスインゴベルナブレス・デ・ハポン」について、

 

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“我々、ロスインゴベルナブレス・デ・ハポンはヒールでもベビーフェイスでもない”

 

というスタンスフリーを示す発言を以前にしていました。

善い者か悪い者の二択に留める事を否定した発言です。

 

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どちらかのポジションに定めてしまうと自身の発言力に多様性が無くなるのではないかと踏んだのかもしれません。善き者としての言葉、悪き者としての言葉、自らが扱う言葉にスタンスゆえの先入観や色づけを取っ払う為のスタンス解放宣言。

彼もまた、自身とプロレスを光らせる為に言葉を丁寧に扱う選手なのです。

 

ただこれは棚橋選手とは違います。棚橋選手はあくでもどちらでもないわけではなく、スタンスは善き者に身を置いています。そこは依然から一貫してベビーフェイスの主人公です。

 

それから、もう一人だけ挙げます。

 

ケニーオメガ選手です。

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今はもう新日本プロレスの選手ではなく元新日本。現在は新団体AEWの選手です。

 

大ヒールユニットBULLET CULBのリーダーというスタンスでありながら、ヒールらしからぬ友情劇を展開していきケニーオメガ選手もまた独自の路線を築いていきました。


 ケニー選手の場合はスタンスというのはむしろ自身のキャリア構築の利用であり、自分の振る舞いやプロレススタイルも全て自分のクリエティブ力を見せ付ける為一心不乱に駆け抜けている様にも見えた選手です。

 

ヒールユニットという立場をもはやヒーユニットとしては捉えず、ユニットさえも自身のクリエティブで様変わりさせていき、一番の願いでもあった新日本プロレスの主人公に立とうとしたケニーオメガ選手。

ですが気付けば主人公の敵になっていた・・・・。


選手同士の駆け引き、ファンの反応の変化、団体側との摩擦。ケニーオメガの強い想いのままのコントロールは決して思い通りにいくことはありませんでした。


 失意の中、新日本を去ったケニーですが、彼の物語の新章には必ず新日本プロレスのリングで再び姿を表す章が待っているはずです。

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そういえば、この時ケニーオメガ選手を主人公の敵というなれの果ての姿に誘導したのがご存じ棚橋弘至でしたね。言葉の力を使って。

 

おっといけない、この話に踏み込んでしまうとなかなか今回の記事は終わりませんのでなんとかここで踏み留まる事を。

 

 

 

メールインタビュー前編の内容においてもう一箇所だけ引用をさせて下さい。

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リング上で見せたいのは、鍛え上げた肉体、華麗な技も、もちろんとても大切なのですが、

一番大切なのは「感情」です。

喜び、怒り、哀しみ、楽しさ。その感情を一つ一つの動きに乗せていきます。

 

(ダ・ヴィンチニュース プロレス×言葉(前編)インタビューロングバージョン2019/8/8 より引用)

 

 

私もブログ記事を書く上でないがしろにしちゃいけないと心に決めている事は感情の部分。惰性で書いた文を人に読ませたいとは思いません。上手い下手じゃなく、知識がある無いじゃなく。感情があるかどうか。

 

伝えたい、読ませたい、言葉を紡ぎたい。

 それには書き手の感情が存在する文でなければどうしたって意味が無いのです。

 

これが私のプロレスブログに対する価値観これを表現する為に言葉を使うのです。どんな小さな価値観にも、言葉は愛着を持って使えばいい。

 

自分の言葉は自分のモノ、だけど他人に伝える時にはせめて感情を乗っけなければ伝える意義が無いのかもしれません。言葉だけが伝達や表現の方法ではありませんから、これはあくまで言葉に限った話です。

 

どんな表現にも感情を。

 

では、次回の記事更新では棚橋弘至選手のメールインタビュー完全版 後編の内容に触れていきます。

 このシリーズがまだつづくという事です。次回「言葉、棚橋弘至③」をお送りする予定です。

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まだこの話題で記事を続けるの?!と驚いた人は読みが甘かったかもしれませんね。

 私のこのしつこい位の感情をぜひ堪能して下さい、次回の記事更新もお楽しみに。

 

 

 

◆ここまで読んで下さり本当にありがとうございました。

 

 

  

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