始まらない物語・・・
飯伏がザックセイバーJrに敗けた。
さすがに2年連続同じ展開は無いだろうと思っていました。そして今年は飯伏への期待感は満場一致のハイボルテージ、今年は飯伏の年になるだろうという予感は充満していました、のはずが・・。
ケニーとの決別、1.4東京ドームでの衝撃、からのカムバック、そして新日本プロレスでの主人公宣言(ここは筆者の強引な解釈です)。なにもかもが揃いに揃った最高のシチュエーションを迎えてのNJC2019。
それなのに2回戦敗退ですよ。。。まさかのまさか。
プロレスにおけるマンネリ化された展開にこそ期待を裏切ってほしいファン心理はこんな形で叶ってしまうなんて。
いやはや、困惑しています。
ザックのプロレスにはいつも驚きと発見があり大いに好きです。あの関節技地獄は痛みがストレートに伝わってきますから、試合展開において飽きが来ないのも特徴的ですし、ザックの確立されたオリジナル性にはプロレスリングの面白さと味わい深さが凝縮されているのは間違い無いでしょう。
前年度覇者であるザックが勝ち上がる事は不思議では無いはずですが、それはそうなのですが、、、うーん。。
飯伏の物語はどうなるんですか?新しい飯伏幸太のストーリーが始まるはずだったのではないですか?
これではまだ物語が始まってもいない。全くもってストーリーの欠片さえ生まれていない。
飯伏幸太はまた他のレスラーに主人公の座を奪われるのでしょうか?
飯伏にのしかかる大きなもの、それは一体何なのか。新日本プロレスで飯伏は一体何者になれるのか?
主人公になるはずだった者が主人公の敵にされてしましい、そして魔王になってしまった者も居ました。あの時、その姿を目の当りにした飯伏は何を思ったのか。新日本プロレスにはいくつも物語が同時進行します、そして主人公を目指す者が同じ時間軸に幾人も存在するのです。
飯伏幸太は何者になるのか。この新日本プロレスという物語において。期待と裏切り、自信と挫折。そして苦悩と沈黙。飯伏にはほんの少しだけ時間が必要なのかもしれません。
飯伏幸太の『物語』に続きはあるのでしょうか?
いえ、あるはずです。
ここからですよ、この落とし穴から物語を掘り起こすしかない。始まらない物語です、まだこの始まっていない状態も物語の一部だと捉えてみようじゃありませんか。言ってしまえばこの手探りの状態、これこそが物語を展開するために効果的な条件になりうるわけです。
何者になるかは飯伏幸太次第。ここからがプロレスの真骨頂。
始まっていない物語、それは言い換えれば終わっていない物語。
新しい物語を始めようじゃありませんか。
いくらでも待ちましょう。飯伏幸太という物語を。