新日本プロレスを物語る!

新日本プロレスという最高の『物語』、それは必然と偶然が織り成す感情のドキュメント!主役は、レスラー全員です。

新日本プロレスという最高の『物語』、それは必然と偶然が織り成す感情のドキュメント!
主役は、レスラー全員です。

ニュージャパンカップにストーリーを!その②

NJC優勝者予想、ではなく、NJCにストーリーを!その②

 前回からのつづき記事となりますので、前記事をお読みでない方はぜひ一読をして頂けたらと思います

 

www.njpwstory.online

 

前回の記事からの流れを簡単に説明しますと、ニュージャパンカップ2019にも大きなストーリーが生まれてほしいという祈願の思いから書き始めました。そこで、2017年のNJCを良い例として挙げることにより、プロレスのストーリーの重要さに思いを馳せる内容で進めている所です。

 

 記事の内容はある種の柴田勝頼ストーリーに傾いてはおりますが、そこは気にせず記事の続きをより一層気持ちを込めて綴らせて頂きます。

 

 2017年ニュージャパンカップにおける生まれたストーリーは、何といっても2014年からの時間軸がしっかりと繋がった事にある、そういった内容を前記事において書かせて頂きました。

 

2014年にオカダの前に立って挑戦権を得たかった柴田、それをいなす王者オカダ。この時の柴田の悔しい感情はそのまま熱量に還元され、まさに男の根性たるものを体現したようなプロレスとなり、リング上で思う存分発散されたわけです。

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男くさい表現を古臭いとするか、時代錯誤だと罵るのか、観る側からの批判はあったのかもしれない。だけど、私はそれらまるっと含めて『柴田勝頼のストロングスタイル』と呼ばせてもらいます。ここで誤解の無い様に付け加えると、柴田のストロングスタイルは独自のオリジナルです、イギリス遠征時に吸収したランカシャーレスリングを取り入れたり、彼は自分の進化を試みながらストロングスタイルを創っていった。

そこに加えて感情という部分でも手をぬかない、この姿勢をもってして彼がドラマチックな男と化していくわけですね。

 

とは言っても、この時の柴田勝頼というレスラーには物語の展開がたっぷりとあった為、それがNJCでのストーリーでも厚みを持たせた要素は多分にあるのかもしれません。

 

時は2005年、新日本プロレスの生え抜き中の生え抜きであった男はまさかの新日本プロレスを退団します、当時の衝撃は未だに忘れられません。 

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「新日本を辞める事が、新日本だと思った」(柴田勝頼)

 

新日本退団後、立ち上げた新団体でエースを張るがすぐにその団体が消滅、そこから総合格闘技への挑戦に踏み出すも結果の出ない苦渋の日々。

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時を経て、新日本プロレスに出戻りを決意する。しかし当初は新日本ファンからの違和感と拒絶を投げられました。が、そこから後藤選手との同級生物語を開始し好試合を連発、己の身体の酷使と物語に対する熱意をもってしてファンからの信用を一歩づつ勝ち得ていく事に。そして何と言っても柴田自身の立ち位置を確固たるものにしたのは『逆世代闘争』でしょう。それは、ネバー王者になった柴田がまるで自分の空白の時間を埋めるかのように、自身の先輩である第三世代の永田・中西・天山・小島と防衛戦を繰り広げていくストーリーです。

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変わらないもの、変わってしまったもの、絶対に変えたくないもの。  

それらを少しづつ自身の身をもって確かめる作業でした。プロレスラー柴田のバックボーンが一つの完成形に近づいたのは、この逆世代闘争ストーリーによるものといっても過言では無かったのかもしれません。

 

2017年ニュージャパンカップ決勝戦でファレを下した柴田はリング上でマイクを握ります。

 

「約束したヤツがいる。3、4年前かな。オカダー!」(柴田マイク)

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最高の瞬間です、約三年越しの物語がやっと顔を出したわけですから。

 

柴田がこのニュージャパンカップに出場する意義、優勝しなければならない理由、そしてその優勝後に相手がオカダで在るという意図。

さあ、繋がりました。これがニュージャパンカップに生まれてほしいストーリーの過去問の正答例とうわけですね。これはあくまで模範解答みたいなものなので、これを毎年生み出せというのはさすがに有り得ない。でも模範解答を得られたからこそ選択肢を安心して増やせるといった見方もできるはずです。

 

それでは、これを踏まえて今回の2019年NJCを再度見てみます。

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どうでしょうか、気になる選手やスゴイ試合になりそうなカード組み合わせは沢山ありますね。しかし、ストーリーとして見る分にはそれぞれ弱い気がします。

例えば、エース棚橋とレインメーカーオカダの二人。この二人はバックボーンは重厚ですからそこは申し分無い、ですが二人ともジェイホワイトに大舞台で負けてからまだ時間があまり経っていません。そのせいか、IWGP挑戦権のかかったトーナメントに早々に出られるの??という疑問符は少しばかり感じます。オカダのNJC参戦自体は新鮮さがあるので個人的には楽しみではありますが。

 

次に内藤哲也とオスプレイ。

この二人に関しては、内藤にはIWGPへの想い、オスプレイにはジェイホワイトとの繋がりと因縁、というストーリーが各自少なからずあります。ですが、そもそも二人とも一応ベルト保持者です。このNJCはベルトを持っていない各レスラーが、自身が欲するベルトに優勝すれば挑戦できる!という大会趣旨があったはずですよね、だから過去の大会ではチャンピョンはエントリーされていません。

 

エントリーの基準はサプライズも含め不透明でも面白いのですが、やはりベルト保持者がこのNJCに出場してしまうと、結局はインターコンチ王者もNEVER王者も現IWGP王者よりも格下程度であるとベルト保持者自身が明確にしてしまったかのようになってしまいます。

 

たとえそうであっても、それは周囲の批判としてあるものであって、明確にしてしまうと楽しみ方の一つが減ってしまう恐れがあるのでは。ベルトの色分けやジャンル分けはあっても楽しいですが、シングルトベルトの序列を明確にしてしまう必要はあるでしょうか?

 

ベルトの創設や扱いについては、またそのうち別記事で書いてみたいと思います。ある意味この内藤とオスプレイの動向次第で、そのテーマについては新たな指針が浮き彫りになるかもしれません。

 

引き続きエントリー表に目を戻しましょう。

今回、なんと第三世代の四人全員が出場枠に名を連ねています。これは私にとっては嬉しいエントリーです。キャリアを重ねた選手の戦う姿というのは、やはり哀愁を感じさせられますので胸を打つ事が多いです。

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永田・小島の両選手は未だに問題はありませんが、中西・天山の両選手はコンディションを保つだけでも容易ではないように見受けられます。それでもリングに立つ姿、ベルト戦線に絡む意欲を絶やしていない心意気を見せてもらえるだけで応援したくなるのは凄い事だと思うわけです。

 

ただ、この第三世代は全員がIWGPのベルトは既に戴冠済みですので、まだIWGPベルトに手が届いていない選手に比べるとストーリーは少し弱くなってしまうかな、とも思います。

 

仮にですが、世代間ギャップの戦いからの観点をもしも取るならば、26歳のジェイと50歳前後の第三世代が戦うプロレスには確実に興味をそそられますよね。ですが残念ながらあまりにも接点が無いと試合内容の面白さはあってもストーリーは生まれにくいかもしれない、、、NJCだからこそ生まれるストーリーという注文内容はかなりハードルが高いと言わざるおえません。

 

最後に飯伏幸太選手にも触れます。

今回NJCに出場する意義、この要素においては他のエントリー選手よりも一番大きいのが彼かもしれません。

ケニーオメガとの別れを経てからの流れが非常に強いスパイスになっているからです。そしてそこからの新日本プロレスへの覚悟を改めて宣言するとうジャンプ力はストーリーにかなり効いています。更にはトーナメントへのサプライズ復帰が用意されたのは秀逸ですね。

 

ただし、ケニーとのストーリーが味付けの濃いものだった為、それに負けないような飯伏幸太の物語を新たに構築しなければなりません。反動は注意です。ジェイとの繋がりやエピソードは飯伏選手にはありませんから(私がそこを知らないだけかも・・)、飯伏幸太がこのNJCで自身のストーリーを展開するならば最低条件として優勝しかないでしょう。

 

単発なストーリーか軸のあるストーリーか。どちらにせよいつも成功するとは限りません、失敗を恐れていてはストーリーの種も蒔けません。飯伏選手は今回のNJCでは、試合内容のみではなく、コメントやパフョーマンスの部分でも試行錯誤する必要が出できそうです。期待値が上昇中の飯伏選手ですから、本人も覚悟と葛藤を混在させながら自身のストーリーを産み落としてもらえたらと思います。

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物語はいつだって選手と共に。

主役はプロレスラー全員です。

 

 

 

今回も長文にお付き合いありがとうございました。

ここまで読んで下さった事に嬉しく思います。

 

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